ギターを弾き始めてみると、いろいろなことを覚えなければなりません。例えば「コード」、そしてソロで必要なギタースケールも必要になってきます。

コードやギタースケールを理論として学ぶと共に、それに付随する様々な音楽的理論や知識についてもこの講座で取り上げたいと思います。


1.始めに知っておいていただきたいこと

まず、エレキギターを学ぶにあたって、先に知っておいていただきたいことをまとめてみました。


1.コード

コードとは和音のことです。
例えば、「ドミソ」と一度に奏でることを「和音」と言い、コード名で言うと「Cコード」と言います。


2.スケール

スケールとは音階のことです。例えば「ドレミファソラシド」(CDEFGAB)は「音階」で、分類で言うと「メジャースケール」(またはアイオニアンスケール)と言います。


3.メジャー

メジャーとは長音階のことです。例えば「C」のように「ドレミファソラシド」(CDEFGAB)は明るい音調を特徴として聞こえると思いますが、こう言った明るい音調を「メジャー」と言います。


4.マイナー

例えば「Cm」のように「ド レ ♭ミ ファ ソ ラ シ ド」(C D E♭ F G A B)は暗い音調を特徴として聞こえると思いますが、こう言った暗い音調を「マイナー」と言います。


5.音の数え方

「ドレミファソファシド」という音階をコードに置き換えて数えてみる訓練をしてみましょう。

一般的に音階を数えるのに疲れた「ドレミファソファシド」を「CDEFGABC」の循環による音階に変えてみました。次は、この「C」とか「D」がどのようにギターの中で重要になってくるかをお話していきます。

ギターを勉強していくと「ルート」という言葉に巡り会えます。この「ルート」は、元になる音ということです。



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例えば「C」コードなら「ド」で、5弦の3フレットなどにあり、
「D」コードなら「レ」で、5弦の5フレットなどにあります。


6.ルート以外の音の数え方

ルート以外の音の数え方を覚えると、これから勉強する様々なコードの種類の違いがよく理解が出来ます。

音程には、完全音程、長音程、短音程、増音程、減音程という種類があります。
完全音程に含まれる音程は、1度、4度、5度、8度です。
超音程と短音程に含まれる音程は、2度、3度、6度、7度です。

例えば、「C」コードを例にして説明してみます。わかりやすく「ドレミ」の記述で説明します。
・ド = ルートの音(完全1度)
・レ = 長2度(9th、add9の構成音)
・ミ = 長3度(major3rd)
・ファ = 完全4度(11th)
・ソ = 完全5度(5th)
・ラ = 長6度(13th)
・シ = 長7度(major7th)
・ド = オクターブ(完全8度)



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図の(1)は「C」コード、ドの同一音での音の隔たりが無いので1度(0度ではないことに注意して下さい)です。図の(2)と(3)はそれぞれ音の隔たりは「ド レ ミ」で3度の「長3度」ですが、(2)は♭で半音下がっているために、音の隔たりがまた短くなっているので「短3度」と呼びます。図の(4)は「ド レ ミ ファ」の4度の「完全4度」と言います。図の(5)は、ドから「ド レ ミ ファ ソ ファ シ ド」と8度離れた「完全8度」です。


2.エレキギターのコード理論

子供の時に音楽を学ぶ時に、私たちは「ドレミファソファソド」という音階を学びました。ギターを学んでいく上で、これを「CDEFGABC」というコードに変えて考えていきます。ギターの理論の第一歩です。



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この画像はギターの弦を表しています。これを順番に弾いてみてください。


1.簡単なコード理論

次は、一見複雑にみえるギターでの音の並びを、コードによって学んでみましょう。

どの楽譜にも五線譜と一緒に「コード」というものが記載されているかと思います。これは、「この部分はこのコードで弾きなさい」ということなのです。一小節ごとに、または一小節の中の一部分だけを変えて、「このコードで弾いてください」という説明なのです。

コードブックというものがあります。たくさんのコードが書かれていますが、これを全部覚えると言われたら大変に思うかもしれません。けれど、基本のコードをいくつか覚えてしまえば、あとはその法則に則って応用してあげれば、簡単に転用が出来るのです。

まずオープンコードの「E」を押さえてみましょう。


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3弦の1フレットと、4弦の2フレット、5弦の2フレットを同時に押さえて弾きます。

そして、「F」コードを押さえてみましょう。
初心者にとって抑えにくい代表の「F」コードですが、頑張って引いてみましょう。



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1弦をセーハで抑え、3弦の2フレット、4弦の3フレット、5弦の3フレットを同時に押さえて弾きます。

ここまで来て、「あれ?」と思いませんでしたか?似た形をしていることに気がつかれたあなたはすごいです。

「E」コードはこういうポジションをしていますが、



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指で開放弦を押さえていないだけで、実際は押さえたことになっています。つまりカポタストをしていることと同じというわけです。カポタストとは、フレットの上の方に取り付けて、器械によってセーハと同じことをやってもらえる器械のことです。セーハというのは、ギター器具のカポタストと同じことなのですね。



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つまり、「E」コードの本来の形はこういう形をしているのです。

このままフレットをスライドしていくと、コード「F」のポジションになるのですよ。ちょっと”目からウロコ”だと思いませんか?



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↓「E」コードの6弦ルートは、開放弦です。



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↓「F」コードの6弦ルートは、1フレットにあります。



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そうなのです。6弦にあるルートをセーハで押さえ、残り3つの音のポジションという定型のまま、フレットを上げていくと、G、A、B、C、D、E、F…の形が出来るのです。もちろん、ルートがF♯の2フレットをセーハで押さえたポジションにすれば「F♯」のコードを押さえられます。以下、同じです。


2.各コードの構成音

よく使うエレキギターのコードの構成音の度数と共に勉強してみましょう。これもギターの理論の第一歩です。

C→完全1度・長3度・完全5度(ド・ミ・ソ)
C6→完全1度・長3度・完全5度(ド・ミ・ソ・ラ)
Cmajor7(C△7とも表記します)→完全1度・長3度・長5度・長7度(ド・ミ・ソ・シ)
Csus4→完全1度・完全4度・完全5度(ド・ファ・ソ)
C7→完全1度・長3度・完全5度・短7度(ド・ミ・ソ・♯ラ)
Cadd9→完全1度・長3度・完全5度・長2度(ド・ミ・ソ・レ)
Caug→完全1度・長3度・増5度(ド・ミ・♯ソ)
Cdim→完全1度・短3度・増4度・6度(ド・♭ミ・♯ファ・ラ)
Cm→完全1度・短3度・完全5度(ド・♯レ・ソ)
Cm7→完全1度・短3度・完全5度・短7度(ド・♯レ・ミ・ソ・♯ラ)
Cm7-5→完全1度・短3度・短5度・短7度(ド・♯レ・ミ・♭ソ・♯ラ)


3.ギターのスケール理論

独学でギターを学んでいると、エレキギターの理論という言葉にはちょっと抵抗を感じてしまうかもしれません。けれど、ギターの理論を学ぶことで格段にその後のギター演奏に幅が出来ます。今回は「スケール(音階)理論」についての理論を学んでみましょう。

これまで、マイナーペンタトニックスケールやメジャーペンタトニックスケール、また他のメジャー系スケールやマイナー系スケールなど、いわゆるスケールを学んできました。

「メジャーやマイナーとはなんだろう?」
今回は、この点についての理論をまとめてみたいと思います。


1.メジャースケール

メジャースケールとは、簡単に言うと、明るい音色の音階の事です。いわゆる、「長調」のことで、子供の頃に学校で「ハ長調」「ト長調」などと習ったことがあると思いますが、それらはメジャースケールと置き換えられます。

例えば、
C→完全1度
E→長3度
G→完全5度
これは「C」のメジャーコードですが、キーを変えてみても、音の幅が同じでしたら、メジャーコードにも移行出来ます。


2.マイナースケール

メジャースケールとは、簡単に言うと、暗い音色の音階の事です。こちらは「短調」のことです。つまり、悲しげな音調を出したかったらマイナースケールで弾く、ということなのですね。


3.平行調

メジャースケールとマイナースケールの構成音は同じで、これを平行調と言います。

例えば、「C」メジャースケールを例に挙げてみます。
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド
でも、これを「A」マイナースケールを書いてみると
ラ シ ド レ ミ ファ ソ ラ

と、順番が変わっていますが、全く同じ音で構成されているのです。びっくりしましたか?

つまり、メジャースケールは他のマイナースケールの構成音と同じで、これを「平行調」というのです。

他のメジャーキーでも例を挙げてみたいと思います。

Cメジャー/Aマイナー(ハ長調/イ短調)
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド
C D E F G A B C

Dメジャー/Bマイナー(ニ長調/ロ短調)
レ ミ ♯ファ ソ ラ シ ド レ
D E F♯ G A B C B

Eメジャー/C♯マイナー(ホ長調/ハ短調)
ミ ♯ファ ♯ソ ラ シ ♯ド ♯レ ミ
E F♯ G♯ A B C♯ D♯ E

Fメジャー/Dマイナー(へ長調/ニ短調)
ファ ソ ラ ♭シ ド レ ミ ファ
F G A B♭ C D E F

Gメジャー/Eマイナー(ト長調/ホ短調)
ソ ラ シ ド レ ミ ♯ファ ソ
G A B C D E ♯F G

Aメジャー/Fマイナー(イ短調/へ短調)
ラ シ ♯ド レ ミ ♯ファ ♯ソ ラ
A B C♯ D E F♯ G♯ A

Bメジャー/Gマイナー(ロ長調/ト短調)
シ ♯ド ♯レ ミ ♯ファ ♯ソ ♯ラ シ
B C♯ D♯ E F♯ G♯ A♯ B

これらは、小学生の時に音楽授業などで習う音階の名前も書いてみましたが、音階の並びをズラしてみると、長調と短調がそれぞれ同じ並びでシャープやフラットを装飾した音名と共に並んでいるのがお分かり頂けるとおもいます。並び方を変えていますが、基本は同じ並びで出来ているのですね。これもコード理論の第一歩なのです。