エレキギターと切っても切れない間柄なのが、ピック。ピッキングをいかに上達させるかが、ギター上達の鍵と言っても過言ではありません。うまくなるためのピッキングの練習メニューをご紹介します。


1.ピックの持ち方

ギタリストによってピックの持ちかたというものがあります。どれが一番良いとも言えません。まずは、自分がどのピックの持ちかたが丁度よかったと思ったか、だんだん自分のやりやすいピックの持ちかたがわかってきます。

ピックは、利き手の親指の「腹」と人差し指の「横」に挟んで持ちます。人差し指の「腹」でピックを挟むことは、腕を折った状態と弦の並び方を考えると、ギターを抱えて弾く上で自然な持ち方なのです。

間違っても、親指の「腹」と人差し指の「腹」でピックを持ってはいけません。これはギターを弾くときにやりにくい持ち方なのです。

「ギターを弾いていると、ピックが弦に引っかかった感じがする。」
そう感じる人も多いかもしれません。それは、ピックの持ち方とピッキングフォームによることが原因なのです。


1.ピックを深く持つと

ピックを深く持つと、リフが力強く安定しますと共に、指先に近いピックに情感を込めて弾きやすくなります。ハードロックやヘヴィメタをやる人な、結構深めに持つ人が多いのかもしれません。

適度に深く持つと、ピッキングハーモニクスも簡単に出来るようになります。けれど、深く持ち過ぎると、指が弦に当たりやすくなると共に、ピックの先端が弦に届きにくくなり、空振りすることもあったりフレット間の動きが遅れがちになったりします。

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2.ピックを浅く持つと

ピックを浅く持つと、ギターソロをより軽快に弾きやすくなります。ピックの遊びが多くなるので、指を最小限に動かすだけで表情豊かに弾けるようになります。

けれど、浅く持ち過ぎると、ピックフォームが安定せずに、リズムが乱れがちになったり、粒の揃わないリズムしか刻めなくなったりします。

深く持ちすぎず、浅く持ちすぎず、適度な位置を自分なりに決めていくことになります。また、その時々でピックを浅く持ち直したり深く持ち直したりすることも、慣れれば、簡単になるので、曲に合わせて変えてみるのもいいのかもしれません。要するに「慣れ」ということもありますね。


2.ピッキングフォーム

ピッキングフォームとは、ピックを持つ手の位置や形についてどうするかということです。

好きなギタリストのプレイを動画やDVDでみたりすることがあると思います。「彼はピッキングをするときに、どんな風に手を置いているか」そんなことに注意して観察してみるのも勉強になります。

大きく分けて、3つのフォームがあります。
(1)親指を6弦付近に置いて安定させる
(2)ピックガードに小指などを置いて手を安定させる
(3)特に安定させることもなく、手は弦から浮かせた状態で弾く

どれも、自分なりに音が安定するやり方を見つければ良いのですが、安定しないうちは、手が震えて音が奏でられないことを避けるために、(1)か(2)で練習してみましょう。(3)は自由度が高く、ソロを縦横無尽に弾きまくる時には、手を弦から浮かせて弾いているかもしれません。また、バッキングでリズムを刻んでいる時には(3)の形を自然に行っているかもしれません。

ピックは大抵の場合、寝かせずにきちんとギターのボディに垂直に立てて弾くと粒が揃って綺麗な音が出ますが、弦に平行に弾くかどうかは、その弾き方によります。例えば「順アングル」「平行アングル」「逆アングル」というピックの持ち方があります。


1.順アングル

順アングルは、弦に対して45度くらい外側に傾けてピックを持つ方法です。簡単な練習メニューをご紹介します。

斜めに持つことで、弦に当たる時のピックの感触が荒々しくなり、よりロックのダイナミックな音によく合います。

速弾きやブリッジミュート、ピッキングハーモニクスを弾くときに、この「順アングル」にすると良いです。


2.平行アングル

エレキギターの平行アングル奏法は、弦に対して平行にピックを持つ方法です。簡単な練習メニューをご紹介します。

オルタネイトピッキングをするときに、安定した粒揃いの音作りが出来ます。弦に平行に位置したままピッキングするので、ダウンアップのリズムが揃いやすいためです。


3.逆アングル

エレキギターの逆アングル奏法は、弦に対して45度くらい内側に傾けてピックを持つ方法です。

少し慣れないと弾きにくいかもしれませんが、コードをストロークするときに、最も力強い音が出せます。クリーンやクランチのときにも、逆アングルピッキングだと、より力強くタイトな音を繰り出すことが出来ます。
このように、ピッキングの仕方で、様々な音が出ることがお分かり頂けると思います。


4.アウトサイドピッキング

エレキギターで弦移動をする際に、2本の弦の外側から弾くピッキングを、アウトサイドピッキングと言います。基本は、オルタネイトピッキングで弾きます。

アウトサイドピッキングは、弦を外側から弦をまたぐピッキングですので、ともすれば弦にピックが引っかかってしまうミスを起こしてしまうかもしれません。ゆっくりと弾いていれば注意して弾くことも出来ますが、速く弾く時にはうっかりと弦を引っ掛けてしまうこともあると思います。外側の弦をピッキング出来ても、いざ隣の弦に移動した時にピッキングが空振りしてしまうことあります。粒の揃ったアウトサイドピッキングを習得するには、やはり日頃の練習が重要です。

エレキギターを細かく正確なピッキングをするには、なるべく手首のスナップに頼らず、利き腕の肘を支点として腕から弾いてみましょう。腕は細かく同じ速度で小振りに動かします。小さく動かすと、ピッキングの角度も小さくて済みます。ピッキングの角度が小さいと隣の弦にまでピッキングが及んでしまうことを阻止出来ます。


5.インサイドピッキング

エレキギターで弦移動をする際に、2本の弦の内側から弾くピッキングを、インサイドピッキングと言います。基本は、オルタネイトピッキングで弾きます。

弦の内側を弾いて次の弦に移動するのは、なるべく弦移動の手数を減らして、素早くピッキングをするためです。ただ、アウトサイドピッキングと同様に、弦に引っかかるミスも発生する場合があります。細い弦の間で上と下の弦をそれぞれ弾くのですから、余計な動きや振動が極力無い方が安定したピッキングが出来るのです。

インサイドピッキングをする時にも、手首のスナップだけでピッキングを済ませるのではなく、肘を支点にして、腕ごと動かします。大きく動かすと、2弦間のインサイドピッキングを超えてしまうので、なるべく小さい動きでピッキングをしましょう。これも、練習によって慣れてきます。