世の中のエレキギター、アコースティックギターを含めた「ギター」において、「ミディアムスケール」で作られているギターの数は圧倒的に多いと思われます。
「ミディアムスケール」とは、ナットからブリッジのサドルまでの長さが「約628ミリメートル(24.75インチ)」で作られているギターのことを指しますが、詳しく解説させて頂きます。
1.エレキギターでのミディアムスケールの歴史
「ミディアムスケール」を採用しているギターは、世の中には星の数ほどありますが、エレキギターにおいては、ギブソン社の製品全般(レスポール、SG、フライングVなど)が有名です。
ギブソン社はアメリカにて、もともとマンドリンなどを製造していたメーカーでしたが、アメリカ音楽の移り変わりとともに、アーチトップのギターのトップブランドとして君臨します。その当時から今でいうミディアムスケールを採用していたようです。
ミディアムスケールの始まりはわかりませんが、アコースティックギターの老舗、マーチンギターなどもミディアムスケールです。推測ですが、楽器としてちょうどよいスケールの長さであることと、24と3/4(24.75)インチというアメリカ的な計りやすい数字が、普及に役立ったのではないかと思っています。
2.ミディアムスケールのギターの利点
ミディアムスケールのギターはとにかく数が豊富なため、選択肢が広いのが最大の利点です。というのも、違うスケールのギターに持ち替えるのはかなり弾き心地が違います。
手先の感覚が大事なギタリストにとっては、弾きなれたスケールで色々なモデルや音色を選べるのはアドバンテージとなります。
エレキギターに限らず、アコースティックギターやクラシックギターなどもミディアムスケールの場合が多いので(もちろん例外もあります)持ち替えた際もスムーズに演奏できるでしょう。
また、日本人の手の大きさにちょうど良いサイズともいわれています。フレットの間隔が広くもなく、狭くもないため、弾きやすいギタリストがたくさんいるようです。
3.ミディアムスケールのギターで気を付けること
ミディアムスケールを採用しているギターは「セットネック」と呼ばれるボディーとネックを接着してあるモデルが多いですが、多くの場合弦のテンションを稼ぐため、ヘッドに角度が付いています。
このヘッドの角度は構造上必要なものですが、ギターを床に倒してしまったりするとヘッドが支点となりここから折れますので、取り扱い(特に弾かない時の取り扱い)に関しては十分注意してください。
セットネック構造のギターでネックをダメにしてしまった場合、ネックの交換も出来ないことはないですが「もう一本買えるくらいの修理代」がかかることがありますので、気を付けて保管してください。