「スケール」というのは、簡単に言えば「音階」のことです。音階があってこそ、曲に一定の決まりごとが出来ます。

エレキギターのスケールは、基本のペンタトニックスケールにとどまらず、たくさんのスケールがあります。

例えば、ピアノで「ドレミファソラシド」を弾いてみると、そこは白鍵だらけで、♯や♭は使いませんね。ピアノの場合は、音階を♯や♭など黒鍵を弾いたりするのでとてもわかりやすいのですが、ギターの場合は横並び縦並びの構造のため、この♯や♭がわかりにくいために、このスケールと言うものを学ぶことで、「音階=スケール」を理解しやすくなるのです。

ジャズやロック、ブルースなどのポップス系の音楽に不可欠なメジャー系のエレキギターのスケールを学んでいきましょう。


1.メジャー系スケール

メジャー系のスケールをまとめてみました。


1.メジャーペンタトニックスケール

メジャースケールから4番目と7番目を抜いた「ヨナ抜き」と呼ばれる、5音のギタースケールです。力強く明るい印象のスケールで、ポップス系の演奏には欠かせません。

C D E G A


2.アイオニアンスケール(Ionian Scale)

現在、長音階の基本となっているメジャースケールです。いわゆる、普通の「ドレミファソファシド」と使われており、エレキギターに限らず、多くの音楽の基礎となっているものです。May7上などで使用が出来ます。♯も♭も無い、明るいサウンドが特徴です。

C D E F G A B


3.ドリアンスケール(Dorian Scale)

メジャーキーの第2音から、マイナーキーの第4音から派生したスケールです。「C」コードで説明すると第2音の「レ」、「A」コードで説明すると第4音の「レ」から始まります。

音の構成はメジャーペンタトニックそのものです。ジャズに使うようなお洒落なスケールが特徴です。通常のマイナースケールの第6音は短6(m6)であるのに、ドリアンスケールの第6音は長6(M6)なのが特徴で、お洒落なフレーズの曲にはかなりの頻度で使われているスケールです。

C D Eb F G A Bb


4.フリジアンスケール(Fhrygian Scale)

メジャーキーの第3音から(例:「C」コード第3音の「ミ」)、マイナーキーの第5音から(例:「A」コード第5音の「ミ」)から派生したスケールです。非常にエスニック色の印象が強い音色のスケールです。

C Db Eb F G Ab Bb


5.リディアンスケール(Lydian Scale)

メジャーキーの第4音から(例:「C」コード第4音の「ファ」)、マイナーキーの第6音から(例:「A」コード第4音の「ファ」)派生したスケールです。とてもモダンな音調で、ジャズなどによく使われています。

C D E F# G A B


6.ミクソリディアンスケール(Mixolydian Scale)

メジャーキーの第5音から(例:「C」コード第5音の「ソ」)、マイナーキーの第7音から(例:「A」コード第7音の「ソ」)派生したスケールです。とてもモダンな音調で、ジャズなどによく使われています。

C D E F# G A B


2.マイナー系スケール

マイナー系の調べを特徴としたスケールをまとめてみました。


1.マイナーペンタトニックスケール

メジャースケールから4番目と7番目を抜いた「ヨナ抜き」と呼ばれる、5音のギタースケールです。力強く明るい印象のスケールで、ポップス系の演奏には欠かせません。


2.ハーモニックマイナースケール(Mixolydian Scale)

短調音階の「ド レ ♭ミ ファ ソ ♭ラ シ ド」です。Maj7などで使用可能で、リリカルで悲しい音色が特徴です。

C D E♭ F G A♭ B


3.メロディアスマイナースケール(Mixolydian Scale)

短調音階の「ド レ ♭ミ ファ ソ ラ シ ド」です。マイナースケールの3番目だけを♭にしただけのスケールなので、簡単に弾けると共に、ジャスの即興などでもよく使い、大人びたスモーキーな雰囲気が醸し出せるスケールです。

C D E♭ F G A B


4.ブルーノートスケール(Mixolydian Scale)

「ブルーノート」という有名なジャズクラブがあるように、ジャズプレイヤーだったら是非使いたいスケールです。3音と5音、7音をそれぞれ半音下げと半音上げで使った8音の構成で、「ド ♭ミ ミ ファ ♭ソ ソ ♭ラ ラ」で表されます。ジャジーな雰囲気が印象深いスケールです。ロックギターに応用しても面白いスケールかもしれません。

C E♭ E F G♭ G A♭ A