クラシックギターではデフォルトのフィンガーピッキングですが、必要に応じて、エレキギターのプレイでもフィンガーピッキングをすることがあります。
今回は、ピックを使ったピッキングではなく、指でピッキングするフィンガーピッキングの練習を、簡単な練習メニューと共にご紹介致します。
あなたの大好きなギタリストが、右手の爪が長かったりしたのを見たことがありませんか?あれは、フィンガーピッキングをする時のために伸ばしているのです。親指で扱う5弦や6弦は他の弦に比べると太く硬いので、長く伸ばしていた方が当たりが良いのです。
フィンガーピッキングは、爪が弾くと言っても過言ではありません。指の腹で弾くテクニックもあります。指の腹で弾くと、爪のピッキングよりは落ち着いた優しい音になります。
アコースティックメロディーを指で爪弾いたり、ガツガツしたロックを敢えて指で爪弾いたりすることで、ピッキングストロークとは違う音を醸し出すことが出来ます。
ピックストロークよりもフィンガーピッキングでのストロークの方が、難易度と自由度が高いとも言われています。
有名ギタリストでは、3大ギタリストの一人であるジェフ・ベックやダイアー・ストレイツのマーク・ノップラー、ジョン・メイヤーなどのギタリストがフィンガーピッキングプレイヤーとして有名です。
エレキギターのピック弾きでは、ある程度単一の音色と音量で弾くことが出来る、アタック感を出すプレイが可能、早弾きが出来るなどの特長があります。
エレキギターのフィンガーピッキングは、優しい風合いのアルペジオ奏法や、打楽器と見紛うようなパーカッシブな奏法でリズムを発揮しやすい、など実際の手の動きをそのまま表現出来るので、ギタリストとしては非常に魅力的な奏法なのです。
ストレッチでフィンガーピッキングに指を慣らそう
エレキギターでのフィンガーピッキングの練習の前に、左手と同様、利き手の右手の指もかなり動かすことになるので、ストレッチをしてみましょう。
フィンガーピッキングのやり方には、親指と人指し指を使うツーフィンガーと、親指、人指し指と中指を使うスリーフィンガー、またクラシックギターではフォーフィンガーのやり方があります。
なので、左手ほど薬指や小指を使う頻度はないと思いますので、まず基本はこの3本の指のストレッチをしてみましょう。指が動かないと、リズムも狂いがちになってしまいます。
手をパーの形に開いて、親指から人指し指、中指と次々に握って開いてを繰り返してみましょう。何度か繰り返したら、逆に中指から順々に握って開いてを繰り返してみましょう。
次は、硬い机などの面に指を立てて、親指から人指し指、中指と、トントントンと叩いてみましょう。次は中指から人指し指、親指に向かって、トントントンと叩く練習をしてみましょう。メトロノームを使って、リズムに合わせてトントンと運動をさせるのも良い練習メニューです。
いつもピックを持ってギターを弾いていると、利き手の指が動かなくなってしまうこともあるので、フィンガーピッキングでプレイする前には、こうした簡単な練習メニューでウォームアップをするのも大切ですね。
1.フィンガーピッキングのアルペジオの練習メニュー
初心者にも簡単なエレキギターのツーフィンガーピッキングの練習をしてみましょう。フィンガーピッキングと言いますが、楽譜は普通のエレキギターの練習メニューで大丈夫です。それをフィンガーで弾いてみましょう。
フィンガーピッキングの基本的な指使いは、以下のようになります。
親指→5弦、6弦などの低音部
人指し指→4弦
中指→3弦
薬指→2弦、1弦などの高音部
を担当する方法があります。
また、込み入ったアルペジオなどの場合、臨機応変に
親指→6弦
人指し指→5弦
を担当し、その後の指で他の弦を担当するというポジションもあります。臨機応変に曲によって変えてみて下さい。
2.フィンガーピッキングのアルペジオの練習メニュー
簡単なエレキギターのフィンガーピッキング奏法の、アルペジオの練習メニューをご紹介します。指で硬い弦を弾くことは慣れないと難しいですが、慣れてしまえば指も簡単に動くようになりますので、まずは練習をしてみましょう。
これは、Amコードの分散和音(アルペジオ)で練習する練習メニューです。
左手は「Am」のままで、フィンガーピッキングでコードを分解して弾いています。1小節、2小節、3小節と少しずつ違う弦を弾いていますので、楽譜やタブ譜を見ながら確認してみて下さい。
2小説目の第1音の親指の次は中指としましたが、薬指でも構いません。同じ音程で2音後に出てくる3弦5フレットを薬指にしていますが、これは流れで弾きやすい方法として最初の3弦5フレットを中指にしました。演奏しやすければ、この最初の音も薬指にして頂いても構いません。
アルペジオらしくテンポは仮に「♩=70」くらいのゆっくり目に設定してみました。メトロノームなどでテンポを速くして練習してみるのも上達の一歩になります。
3.フィンガーピッキングのコードの練習メニュー
エレキギターで行うフィンガーピッキングのパーカッシブな奏法の初歩的練習をしてみましょう。パーカッシブとは、文字通り、パーカッション(打楽器)のようなリズムをギター特有のコードと共に奏でられる奏法で、泥臭くアタッキーなサウンドが魅力です。カントリーやファンクでも使うテクニックです。
十六分音符の速いストロークをリズミカルにこなす練習メニューです。
リズムを文字で書き出すと、タタン タタン タタン タタン タタタタ、となります。これを1小節の中で、「Am」と「Am7」のコードが順番にあります。
コードの違いは、「Am」は5フレットをセーハで押さえて、5弦と4弦の7フレットだけ薬指で全て押さえるか薬指と小指で押さえます。「Am7」は5フレットをセーハで押さえて、5弦の7フレットだけを薬指で押さえます。
この練習メニューの場合は、「Am」のフレーズの後に「Am7」が来るので、4弦の7フレットの小指だけ離すと「Am7」にすることが出来ます。
このコードをリズミカルに、親指の爪や腹を使って弾いてみましょう。画像にはダウンストロークとアップストロークの記号が書いてありますので、この通りにまず弾いてみましょう。
それぞれの小節の最後にダウンアップダウンアップの箇所がありますが、これはリズムが合わなければ、ちょっと忙しいですが、ダウンダウンダウンダウンというように弾いても大丈夫です。