エレキギターを練習していくうえで、ある程度のところまで到達すると必ず直面するのがコードやスケールの理論と呼ばれるものです。

もちろん、理論を知らなくてもエレキギターを弾くことはできますが、覚えておいて損はないものです。

なので、この機会に簡単に理論を覚えておきましょう。


1.そもそも理論とは?

コード理論、スケール理論と呼ばれるものは元々、エレキギターに限定したものではなく音楽理論と呼ばれるものの中の1つになります。

エレキギターで言う音楽理論と言うのはクラシック音楽の理論に、ジャズなどの理論が加わった総合的なもののことを言います。

また、コードの理論やスケールの理論を理解する上で、必ず理解しておかなければならない事があります。

それは音程(インターバル)と呼ばれるものです。

よくカラオケなどで「音程がズレた」と聞くことがありますが、これは多くの場合、音程と言うものの認識自体を間違って使用していることが多いです。

この場合「音が外れた」ことを指していますが、恐らく単純に譜面通りの音ではなかったと言う認識だと思います。

ですが、音程とは元々は「ある音からその音がいくつ離れているか」と言う事を指した言葉なのです。

例えばある音をドとし、その音がラと仮定した場合、ドからラまでの音の幅の事が音程と言うことになります。

そして、この離れている数を数える際には度数を使用しています。

ドからラを度数で数えた場合、ドレミファソラでドからラまでは6度離れている事になりますね。

この何度、と言うのがスケールやコードを理論的に考える際には非常に重要になってきます。

そればかりか、この基本的な事が理解できなければ音楽理論を理解するのは不可能でしょう。

ですが、基礎だけでも知っておくと、音楽の上達に役に立つことは間違いありませんので、上達をしたいのであれば理解する努力が必要です。

音程のことだけでも説明しだすと非常に長くなりますので、ここでは割愛させてもらい、スケールとコードの説明に移りたいと思います。


2.スケール理論

スケール理論の基本として、まずスケールは和名で表すと音階と呼ばれるもので、キー(調)と密接な関係があります。

スケール自体は音の並びのことを言いますが、基本的にはこのスケールがキーの基になり、スケールの並びによって調が決定されます。

ですので、メジャースケールを基にキーを決める際には当然、メジャーキーとなり、マイナースケールを基にすればマイナーキーになります。

そして、スケールにはトニック、サブドミナント、ドミナント、リーディングノートと呼ばれるものが存在しています。

トニックはそのスケールの基になる主音の事を指し、サブドミナントは下属音、ドミナントは属音、リーディングノートは導音と呼ばれます。

サブドミナントはトニックから完全4度の関係にあり、ドミナントはトニックから完全5度の関係にあります。

リーディングノートはトニックへ解結しようとする働きを持ちます。

さて、さきほど出たメジャー、マイナーの区別はどこで付くのかと言うと、3度の音で区別されています。

この3度の音が全音(長3度)か半音(短3度)かでメジャーかマイナーかを区別することが出来るのです。

これをどういうことか説明するとドレミファソラシドとラシドレミファソラを並べてみた場合、ドレミとラシドに注目してみてください。

ドレミはエレキギターで見ると5弦の3、5、7と1つ飛ばしになっていますが、それに対してラシドは3弦の2、4、5となっています。

三つ目のミとドの違いに気づいたでしょうか?

レからミまでは1つフレットが飛びますが、シからドは隣同士になっています。

そして、エレキギターのフレットは全て半音刻みに並んでいるので、ドレミとラシドの3度の音は丁度半音分の違いがあることが分かります。

この3度の半音の違いがメジャーとマイナーの違いになる訳です、

また、上のCメジャーとAマイナーの並びを見て気付いたことはないでしょうか?

勘のいい方はすぐに分かったと思いますが、使われている音が同じで並びが違うだけなのです。

これを平行調と言い、それぞれの調には対応した平行調が存在し、他にも同主調、下属調、属調があります。


3.コード理論

コード理論の基本として、コードの構成がどうなっているかを考えてみましょう。

基本的にコードと言うのは3つの音が重なって出来た和音の事を指し、トライアド(三度堆積)と呼ばれています。

そこで出てくる疑問は「ギターコードは3つ以上音鳴ってるけど?」と言うところです。

では、Cメジャーのオープンコードを分解してみましょう。

それぞれ鳴っている音を調べてみると6弦E、5弦C、4弦E、3弦G、2弦C、1弦Eとなっていますね。

どうでしょう?鳴っているのはC、E、Gの3つの音しか鳴っていませんよね?

あえて3つと書きましたが、正確には3種類の音と言う事になり、鳴っている音の数ではないのです。

基本形はこのトライドとなりますが、4和音と言うものも存在しており、これは6度か7度の音をトライアドに足したもののことを指します。

また、エレキギターで使われるパワーコードと言うのは、このトライアドから3度の音を取り除いたものの事を言います。

3度の音が無く、当然メジャーマイナーと言った概念が存在しないため非常に曖昧な立ち位置である分、自由度が高いのが特徴です。

本当に基本的なスケールとコードの理論の説明ではありますので、細かい部分は自分で調べるなどで補完をしてください。

本来の理論はもっと細かく密接に関係しているものなので、色々な書籍などを見て勉強するべきものなのです。

その際、少しでも書いてあることを理解出来る様に基礎はしっかり身に付けておきましょう。