エレキギターに限らず、ギターには「スケール長」といわれる基準があります。普段ギターを弾く上ではほとんど気にならないところですが、「スケール長」とは何か、を解説していきたいと思います。
1.スケール長とは
スケール長とは、「ナットからブリッジのサドル(駒)までの長さ」のことを表します。何も押さえずに弦を弾くと、弦が震える始まりと終わりまでの長さ、とでも言いましょう。
感覚が鋭い人でないと、見た目で判断するのは難しいです。また、ギターを複数本持っていないと気づきにくいところですが、流通しているギター及びエレキギターは、大半が次の3種類「ロングスケール」「ミディアムスケール」「ショートスケール」に分類されます。
2.各スケール長の特色
代表的なスケール長は3種類あります。各々ナットからサドルまでの長さが違う訳ですが、それぞれ特徴を持っています。
「ロングスケール」はエレキギターに多く、3種類の中では最長の「648�o」となります。そうすると、フレットの間隔が広く、手の小さい人には弾きにくいかも知れませんが、エレキギターでは「スタンダード」と言っても過言ではない程の規格です。
「ミディアムスケール」は3種類の中では中間の、「628�o」です。アコースティックギターなども含めたギターのスケールで一番多いであろう長さがこちらです。また、エレキギターにおいても、ロングスケールと並んでスタンダードな長さです。
「ショートスケール」は3種類の中では一番短い「610�o」で作られています。主に手の小さい子供や女性向けに勧められていて、フレットの間隔が狭く、弾きやすいと感じるものが多いです。
この「スケール長」が変わると「弦の張り具合」が自ずと変わるため、ロングは細い弦、ミディアムは中ほどの弦、ショートは太い弦を張るのが一般的です。
3.各スケール長の代表的なエレキギター
各スケールには代表的なモデルがあります。
「ロングスケール」はエレキギターの老舗、フェンダー社のモデルに多く「ストラトキャスター、テレキャスター」など、「ミディアムスケール」はもう一つの老舗、ギブソン社製品全般で「レスポール」など、「ショートスケール」はフェンダー社の「ジャガー、ムスタング」が代表格としてよく紹介されます。
エレキギターの世界では、この2社が強すぎるあまり、この3種類が標準とされていますが、実はどんな長さでも、フレットの位置を計算して変えればギターとして成り立つものです。故に「例外」は星の数ほどあります。
有名どころではPRS社の「638�o」、また、ミニギターなどはこの数字を短くして作ったものです。また「スーパーロングスケール」など、長くなっているパターンも多数ありますので、興味のある方は探してみて下さい。
エレキギターの「スケール長」、勉強になったでしょうか?