エレキギターの中でも「ショートスケール」と言われる規格で作られているギターがあります。他のギターと比べて、スケール(ナットからブリッジのサドルまでの距離)がショート(短い)な訳ですから、演奏感や使い方などが変わってきます。

ここではエレキギター初心者に向けて「ショートスケールのエレキギターの解説をさせていただきます。


1.ショートスケールのエレキギターとは

ショートスケールとはナットからブリッジまでの長さが約610�o(24インチ)、もしくはそれ以下で作られているギターを指します。

他の規格「ロングスケール」約648�o(25.5インチ)「ミディアムスケール」約628�o(24.75インチ)から比べてみても、一番短いため「ショートスケール」と呼ばれているわけです。

短いと何が変わってくるのかというと、第一に演奏感が変わってきます。弾き心地というと解りやすいでしょうか?

トータルの長さが短いところに、同じように音程が取れるようにフレットが打ってありますので、フレット同士の距離が極端に狭くなります。逆に言えば、フレット同士の間隔が狭いため、手の小さい人、女性や子供でも弾きやすいというメリットがあります。

また、弦を張っている距離が短いと「弦のテンション(張り具合)」が弱くなります。テンションが弱いと、「押さえやすい」「サスティーンが長い」といったメリットがあります。


2.代表的なショートスケールのエレキギター

エレキギターにおいては、ショートスケールのギターというと、有名なモデルが限られてきます。ショートスケールのギターと言えば「ジャガー・ムスタング」の2機種があまりにも有名なため、この2機種の為にショートスケールがあるのでは、と疑ってしまいます。

最近では、約610�o以下で作られているギターすべてを「ショートスケール」という流れがあるので「ZO-3」などの機種もこちらに分類されるようです。


3.ショートスケールのメリットとデメリット

ショートスケールのエレキギターは、フレットの間隔が狭く、押さえやすいため、初心者や手の小さい人、小さい子供などにお勧めしています。また小ぶりなモデルが多く、体が小さく手も構えた時にしっくりくる方も多いです。

ただし、ショートスケールには構造的な弱点があります。

弦のテンション(張る力)が低いため、弦の振れ幅が大きくなり、ビビり音が出やすく、また太い弦を張ってある程度テンションをかけておかないと、楽器としてはイマイチなものになってしまいます。

また、短い距離(スケール)の中に、たくさんの弦が触れるポイント(フレット)があるため、音程が狂いやすい、といったこともあります。

最後に他の規格「ロングスケール、ミディアムスケール」に比べて弾き心地が極端に違います。初心者の場合、ショートスケールから他スケールに乗り換える場合、感覚的に苦労するかも知れませんが、ギターは楽しんでこその「楽器」です。

「ショートスケールが良い」と思ったときは、試してみるのも良いのではないでしょうか?