アルペジオとはコード(和音)を分散させて弾く奏法で、分散和音とも言います。要するに、コードを1音ずつ弾くということです。

アルペジオ奏法と言うとアコースティックギターでプレイされている奏法とイメージされますが、もちろん、エレキギターでもアルペジオ奏法は使われます。エレキギターのアルペジオ奏法のプレイでどんな注意点があるかについて、練習メニューと共にご紹介させていただきます。


アルペジオの注意点

エレキギターでアルペジオ奏法(分散和音)を綺麗に弾くには、基本的にオルタネイトで弾きます。その練習メニューの紹介です。


1.アルペジオの練習メニュー1

アルペジオの練習メニュー1として、1つの弦に1つの音を奏でるタイプのメニューを用意しました。

例えば、これを例に練習してみましょう。



14-1

練習メニューは、バレーコードのGとAを元にしたアルペジオを表してみました。セーハにした、それぞれGコードの3弦、Aコードの5弦の音をしっかりと弾くために、指先に力を入れて、セーハを完璧に抑えましょう。その上で、セーハ以外の他の弦を弾きます。オルタネイトでダウンアップダウンアップの繰り返しをしながら、6弦から1弦へ、そして折り返して1弦から6弦に向かって弾いていきます。

注意すべきは、弦移動の際に、ピックの先端が弦に引っ掛からないように気をつけます。弦移動の時に、少しピックを浮かしながら次の弦に移動していくと、ピックの先端が弦に引っ掛からずに美しく弾くことが出来ます。あまり浮かしすぎると、テンポが狂うので、少しだけ浮かす程度にすることが大切です。

一定のテンポで美しく弾けるようになるためには、メトロノームを利用して、テンポに合わせながら、弾けるように練習しましょう。メトロノームを利用すると、より正確にリズムを体感出来て、ギターの演奏時に身体がリズムを刻めるようになります。そのための練習です。


2.アルペジオの練習メニュー2

アルペジオの練習メニュー1として、1つの弦に1つ以上の音を奏でるタイプのメニューを用意しました。

エレキギターのアルペジオの演奏の時に注意したいのは、エレキギターは電気を通して弦の振動を拡大して伝えますので、アコースティックギターの生の音に比べると、弦の音の振動がより増幅される特徴があるので、しっかりと1つ1つの弦の音を伝えるために、同じ弦に幾つかの音を奏でる時には、他の指を弦から離さないで置いておくという点があります。

例えば、上昇する音階の場合の練習メニューです。



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1弦の3フレット→6フレットを弾く時には、人差し指で3フレットを弾き、小指で6フレットを弾く時には3フレットの人差し指は指板に乗せておきます。2弦の3フレット→5フレットを弾く時には、人差し指で3フレットを弾き、薬指で5フレットを弾く時には3フレットの人差し指は指板に乗せておきます。そうすることで、弦の振動を抑えて落ち着いた音で奏でることが出来ます。

今度は下降する音階の場合の練習メニューです。



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下降する時には、上昇するアルペジオと反対のことを行います。
1弦の6フレット→3フレットを弾く時には、小指の6フレットと人差し指の3フレットを既に指板に乗せておき、小指の6フレットを弾いた時に指板から離し、次に人差し指の3フレットを弾きます。下降する時には、指板につけた指をだんだんと開いていくというように、アルペジオを弾いていきます。