エレキギターをある程度練習していくと、弾きたいと思う様になるのが速弾きと呼ばれるフレーズです。

ですが、一朝一夕で弾ける様になるものではありません。

そこで今回は速弾きのための練習を考えていきましょう。


1.そもそも速弾きとは?

まず、速弾きと言うのはそれ自体が何か特別なテクニックと言うことではありません。

単純に言ってしまえば、色々なテクニックを高速で演奏するから速弾きなのです。

もちろん、速弾きに特化したテクニックと言うのは存在します。

ですが、あくまでも速弾きの基盤となるのは基礎的な演奏の技術です。

速弾きに挑戦しようとした時、いかにエレキギターの基礎をしっかり練習してきたかが試されるのです。

聞いている分には派手でダイナミックな印象を受けますが、その演奏には実に繊細な技術が必要になってきます。

正確なピッキング、柔軟な運指、安定したリズムキープと言った総合的な技術力によって成り立っていると言っても過言ではありません。

そこで、もっとも上達すべき基礎的な技術力を高めるための練習を主体に行っていきましょう。


2.正確なピッキング

速弾きを行うために必要なものの1つとして、正確なピッキングが挙がります。

どれだけ指を速く動かせたとしてもピッキングがおざなりでは台無しです。

そこで、フレットは押さえなくても押さえても構いませんので、テンポを100として一定のリズムで四分音符、八分音符、16分音符と弾いていきましょう。

ここまではある程度練習して上達した方ならば問題はないでしょう。

では、今度はテンポを120にして行ってください。

この様に徐々にテンポを上げていき、モタついたりした場合はそのテンポで安定するまでピッキングの練習を行いましょう。

この際に3連符や5連符と言ったものも一緒に練習するとより効果的です。

また、自分でパターンのフレーズを作り、色々なパターンで練習することにより、下地が出来上がり後々の練習の上達にも繋がってきます。


3.柔軟な運指

エレキギターの柔軟な運指のために必要なのはとにかく指を動かしてやることです。

今まで動かしていなかったものを急に動かしたところで、当たり前ですが動きはしません。

そこで効果的なのが、クロマチックスケールなどを使用したフレーズでの練習です。

ウォーミングアップとして練習前に行う様にしたりすることで指を暖めると同時に基礎力アップにも繋がります。

代表的なものとしては、6弦5フレットから6、7、8と弾いて弦移動していくタイプのものでしょう。

この他にもメジャースケールやマイナースケールをなるべく速く弾く、と言った方法などもあります。

言ってしまうと運指のレベルの底上げですのでフレーズ自体は簡単なもので構いません。

簡単なフレーズをいかに速く、安定して弾ける様になるかが重要であり、このフレーズを下手に難しく設定してしまうと本末転倒になってしまいます。

それこそ指の柔軟さは一朝一夕で身に付くものではありませんので、地道なストレッチが重要だと言えるでしょう。


3.テクニカルなテクニックの練習はしっかりと

総合的な底上げを地道な練習にしていれば、基礎的なテクニックを応用するだけの力は付いてきていると思います。

そして、その応用力はもう一段テクニカルなテクニックを練習する際に確実に活きてきます。

それでもテクニカルなものは簡単に習得は出来ません、習得自体に相応の技術力が必要になるからです。

そこでもし練習で詰まった時はそのテクニックに関連しそうなテクニックのフレーズを練習する様にしましょう。

例えばスキッピングやエコノミーピッキングですが、これはアルペジオでも似たような事を行っています。

違った見方をすればスキッピングやエコノミーピッキングを習得すれば、よりアルペジオが滑らかに弾ける様になると言う事でもあります。

実を言えばテクニカルなテクニックとして別もの扱いされているものは「速く弾くために効率化が図られたもの」であることが多いのです。

ですので、躓いてしまったからと言って意地になって躓いたテクニックを練習するのではなく、それに関連していそうなテクニックを練習してみましょう。