ギターにおいて「レギュラーチューニング」と言われるチューニングがあります。

文字の通りレギュラーなチューニングな訳ですが、今一度、レギュラーチューニングについて考えてみたいと思います。


1.ギターのレギュラーチューニングとは

レギュラーチューニングに関しては、多くの人の場合、ギターを始めてから「初めて習得するチューニング」であると思います。

レギュラーとは、辞書を引くと「通例・通常・正規・正式」などとなりますが、ギターの世界においては、「A=440Hz」で6弦から「EADGBE」とチューニングしてある状態であることは、常識として広く知られています。

今日のギターの形が出来上がったのは、17世紀頃と言われています。クラシックギターがこの頃には発明されていた、という事は、レギュラーチューニングもこの頃からあるものでしょう。


2.レギュラーチューニングはこうして出来上がった(かも)

当時は弦楽器と言えば、やはりクラシック音楽には不可欠な「バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバス」でしょうか。各楽器のチューニングを見てみると、それぞれの楽器に共通するのは「隣の弦から5度」のチューニングがされていることです。

ギターの音色は周波数だけをみると、この中の「チェロ」と同じ周波数帯で出ています。また、チューニングの音程を見ると「E(5度上の)A(5度)D(5度)B」とチューニングするコントラバスとそっくりです。

古い楽器からの伝統を受け継いで、今のレギュラーチューニングがあるのかも知れません。


3.レギュラーチューニングをしない時の注意

ギターは「レギュラーチューニング」を前提に作られていますので、可能な限りレギュラーチューニングで弾きたいものです。

しかし、「半音下げ」や「ドロップチューニング」を使うのもだいぶ普及しています。それらを否定するつもりは全くないので気を付けておくべき点を紹介させて頂きます。

「半音下げ」をする場合は、トラスロッドを緩めましょう。半音下げて弾くという事は、弦のテンションが初期値であったレギュラーより下がります。という事は、弦でネックを引っ張る力が弱くなる為、「逆反り」の症状が出やすくなります。

半音下げ主体のギターを弾くときは、ロッドを半音下げのテンションに合わせた位置で使うのが重要です。

また「ドロップチューニング」をする場合は、出来れば演奏後にレギュラーチューニングに戻すのが理想的です。弦は1本当たり約10キロの力でネックを引っ張り続けています。

一本だけ緩めたりするドロップチューニングは「ネックのねじれ」につながる場合がありますので、均一に負荷をかけてあげるのが理想的です。

レギュラーチューニングは、ギターの基礎中の基礎ですので、いつまでも大事に考えていきたいものです。