数あるエレキギターテクニックの中でも、ヴォーカルの裏でリズム隊としてテクニックを発揮することが出来て、そのテクニックがキラリと光るカッティングの練習メニューのご紹介です。

カッティングは基礎がしっかりと出ていないと光らない、ギターテクニックの中では玄人好みのテクニックと言えるかもしれません。

ファンク系のギタリストは皆それぞれカッティングが上手ですが、ロック系のギタリストにもいます。うまいカッティングの名手として、ChicのNile RogersやAl McKay、そして日本でも布袋寅泰も名前が挙げられます。

カッティングは、弦に軽く指を当てたミュートの状態で、ピッキングをするテクニックです。ツクツクツクという音が鳴ったら成功です。カッティングを鋭く効かせるために、手首にスナップをかけて、大振りでピッキングをするのがコツです。

ナチュラル系、あまり歪みを効かせず、またワウ・ペダルを通したり、フェイザーのエフェクターを掛けるとカッティングはより魅力的に聞こえます。ミュートが効かずに音が鳴ってしまわないように、きちんとミュートが出来ているか確認して下さい。

同じくミュートで音を消したテクニックにブラッシングというものがありますが、カッティングをストロークで弾くというものだと理解していただいたら間違いはないかと思います。

両者に厳密な違いはなく、ギターの歴史の中で、その時々テクニックの名称が少しずつ変化していった名残だと思われます。


カッティングをマスターしてグルーヴィーなギタリストに成ろう

エレキギターのカッティングの簡単な練習として、セーハをカッティングするという練習ニューをしてみましょう。どこのフレットでもいいですので、まずはセーハの指で弦に触れるだけにして、ピッキングをしてみましょう。

カッティングの音は歪みを強めるよりも、よりナチュラルに作った方が良いです。ピッキングは、鋭いカッティングを効かせるために、手首のスナップを頼りにします。例えて言うなら、手に水がついてそれを払う時のように。ソロパートのように硬く弾かずに、手首を柔らかくして弾くように心がけましょう。

どこかの弦をミュート仕切れていなかったとしたら、普通に音が鳴ってしまいます。音が鳴った弦を確認して、指がある程度弦に触れられているか、または押さえられていず開放弦が鳴ってしまっているのか、確認してみましょう。


1.よく使われるカッティングの練習メニュー

エレキギターのカッティングの練習メニューのご紹介です。手首を柔らかくして、正確なリズムを手首のスナップで刻んでいきます。ミュートを効かせたツクツクの音を思う存分弾いてみましょう。



23-1

エレキギターのカッティング奏法でよく使われるコードとリズムの練習メニューをご用意しました。楽譜にはカッティングの位置を「X」で示される場合が多いです。

この練習メニューでは、5弦7フレットを中指で押さえ、4弦5フレットを人指し指で押さえ、3弦から1弦の7フレットは薬指で全て押さえます。その状態のまま、まず十六分音符で2回ピッキングをし、その後全ての指を少し浮かし、2回カッティングします。

次は、やはり同じ指の位置のまま1回ピッキングをし、次にまた全ての指を少し浮かし、3回カッティングします。

次に、同じ指の位置のまま2回ピッキングをし、次にまた全ての指を浮かして、1小節最後の2音をカッティングします。

6弦のミュートは、弾いている時にもカッティングをしている時にも、5弦を押さえている中指の頭の部分を少しだけ6弦に接しておくと、ミュートになります。

1小節はこのようになります。十六分音符だと少しスピードが速く感じられるかもしれませんので、最初はメトロノームで「♪=40」くらいのゆっくり目のスピードにして弾くと、初歩的なカッティングの練習が出来ます。

速さに慣れたら、だんだんとメトロノームの速度を速くしてみると、実践的なカッティングの速度に対応出来るようになります。


2.よく使われるカッティングの練習メニュー

次のエレキギターのカッティングの練習メニューは、スライドのあるカッティングです。練習メニューの(1)と同じコードで、1フレット下がった位置からスタートします。



23-2

基本のコードよりも1フレット低い位置の、5弦6フレットに中指、4弦5フレットに人指し指、3弦から1弦までの6フレットは薬指で全て押さえます。

そして次の音符は1フレット高い、5弦7フレットは同じく中指のまま、4弦6フレットは人指し指のまま、3弦から1弦までの7フレットは薬指のままで移動します。フレットを移動することで、よりエンジョイラブルにカッティングを楽しむことが出来ます。

フレット間の移動の時に、指の位置がズレたり変わったりしまうことのないよう、安定した弦の押さえをして下さい。また、カッティングの際には、指を弦から少しだけ浮かして、ミュートをします。

6弦のミュートは、(1)と同じように、ピッキングをしている時にもカッティングをしている時にも、5弦を押さえている中指の頭を少しだけ6弦に接しておくと、ミュートが出来ます。

この練習メニューでは1小節の最後にタイがあります。ここはピッキングのまま十六分音符1つ分弾かずにおきます。最後はカッティングで締めくくりましょう。カッティングは、同じ指の位置のまま、少しだけ弦から指を浮かすことで出来ます。